アレルギーについて
- Q.皮膚科でアレルギー検査はできますか?
- A.当院では血液検査により非特異的IgE値や抗原特異的IgE値の測定を行っています。
また、背中や腕の皮膚でパッチテスト(金属のみ)を実施することができますが、当院では現在都合により一時的に取り扱いを中止しています。ご希望の方には検査可能な病院を紹介しています。
実際には、その方の症状がどういうものか、どういう状況で悪化するのか、生活環境がどうなのかなどをお聞かせ頂いた上で、アレルギーの関連が疑われた場合にのみ、必要な検査を組み合わせて行います。ご本人がアレルギーだと思われていても、客観的にはアレルギーの関連が疑われない場合もありますので、必ずしもご希望通りに検査が受けられるわけではないことをご理解下さい。 - Q.花粉症の季節になると顔が痒くなりますが、皮膚科で診てもらうことはできますか?
- A.皮膚に何らかの症状が表れている状態でしたら、まずは皮膚科にご相談頂いて良いと思います。
ご相談の症状は、スギ花粉症に伴ったスギ花粉皮膚炎、もしくは冬季に乾燥に暴露され続けた結果に生じた乾燥性湿疹の可能性が高いと思われますので、皮膚科にご相談頂くのが良いと思います。 - Q.アトピー性皮膚炎がありますが、アレルギーの原因を調べてもらうことはできますか?
- A.アトピ-性皮膚炎の発症要因にはアレルギー的要因と非アレルギー的要因があり、さらにそれぞれに遺伝的体質と環境要因とがあります。(下表参照)
アレルギーに関する遺伝的体質、いわゆるアレルギー体質を測定する検査は存在しませんが、非特異的IgE値は病気の重症度との相関関係があり、その方のアレルギー体質の強さを評価できる検査です。ただし、重症のアトピー性皮膚炎でも非特異的IgEの上昇を認めない方が時々いらっしゃいますので、この数値はあくまで目安とお考え下さい。
アレルギーに関する環境要因を調べる検査の代表が抗原特異的IgE値測定です。
食べ物やダニ、ホコリ、花粉など身のまわりに存在するアレルゲンについて、アレルギーの強さを個々に調べることができます。ただし、1回の血液検査で調べることのできる項目数に制限がありますので、その方の生活環境や、症状の悪化要因をよくお聞かせ頂いた上で、アレルギーの原因として疑わしいものを優先的に調べていきます。また、この検査で陽性反応が出たからといって、必ずしもその物質が症状の悪化要因になっているとは限らないこと、逆に検査で陽性反応が出ていなくても症状を悪化させる要因は存在する可能性があることに注意が必要です。
また、アトピー性皮膚炎と言うとついアレルギーに目が行きがちですが、アトピー性皮膚炎の発症要因としては非アレルギー的要因もたいへん重要です。非アレルギー的要因の代表的なものが敏感肌質(=ドライスキン)で、その他にも生活環境の空気が乾燥していることや、汗の刺激、引っ掻いてしまうこと、ストレスの影響などもあります。これらの要因は、一般的な検査で測定することのできないものですので、身の周りの生活環境や、生活習慣の中に知らず知らずに症状を悪化させている要因があるという事も意識して頂きたいと思います。 -
アトピ-性皮膚炎の発症要因
アレルギー的要因 遺伝的体質 アレルギー体質 環境要因 食べ物、ダニ、花粉など 非アレルギー的要因 遺伝的体質 敏感肌質(ドライスキン) 環境要因 乾燥、汗、ひっかくこと - Q.3ヶ月以上も蕁麻疹が治りません。アレルギーの原因を調べてもらうことはできますか?
- A.蕁麻疹には
(1)明らかな誘引が無く、毎日のように繰り返し現れる特発性蕁麻疹
(2)特定の刺激ないし負荷により皮疹を誘発できる蕁麻疹
(3)普通の症状とは異なる特殊な蕁麻疹
の3つのタイプがあります。
この中でもっとも多い病型は(1)特発性蕁麻疹で、この場合各種血液検査やアレルギー検査を行っても異常は見つかりません。食べ物など特定の物質に対するアレルギーが原因となり、アレルギー検査で原因が特定できるのは、(2)のタイプの中のごく一部です。したがって、「蕁麻疹=アレルギーの病気」ではありませんので、蕁麻疹の患者様すべてに対してアレルギー検査を行うわけではありません。症状に関して詳しくお聞かせいただいた上で、何らかのアレルギーが疑われた場合にはアレルギーの原因を検査していきます。