足白癬(水虫) - ひまわり皮フ科 | 江東区亀戸駅徒歩2分

足白癬(水虫)

水虫は、正式には足白癬(あしはくせん)といいます。白癬菌というカビの一種が、足の皮膚の角質層に入り込んで繁殖することによって起きる病気です。
カビは高温多湿の環境で活発に繁殖しますので、水虫は夏になると症状が悪化することを繰り返します。

白癬菌は、顕微鏡で下図のように見えます。
水虫の診断は、症状のある部分の角質をはがし取って、その中に白癬菌が存在することを顕微鏡で確認して行ないます。

足白癬(水虫)1

足白癬(水虫)2

水虫はどんな症状?

水虫とひとことで言っても症状は様々です。主に次の三つのタイプに分けられます。

趾間型(ジクジク水虫)

指の股の部分の皮膚がカサカサ剥けたり、赤くなったり、ひび割れを生じたりして、痒みが強いのが特徴です。
二次的な細菌感染や塗り薬によるかぶれを生じやすいタイプです。
夏になると症状が現われ、冬には一見治ったように症状が無くなります。(治ったわけではありません。)

小水疱型(ボツボツ水虫)

足の裏や側面に、たくさんの小さな水ぶくれができてかゆみを伴います。
水疱が破れてカサカサと皮が剥けた状態も見られます。
この型も夏になると症状が現われ、冬には症状が見られなくなります。

角質増殖型(カサカサ水虫)

足の裏全体の皮が分厚くなって、かかとの部分ではひび割れを生じたりします。
空気が乾燥する冬の方が、ひび割れなどの症状が強く現われます。
通常、かゆみは伴いません。
爪白癬を合併することが多い型です。

水虫を放置すると

角質層が分厚く肥厚しているため塗り薬の吸収が悪く、治療には時間がかかります。飲み薬が必要になることもあります。
たかが水虫と思って放置していると、いろいろな合併症を生じる危険性があります。代表的なものが爪白癬、二次細菌感染、白癬疹です。

爪白癬

爪は、皮膚の角質が硬く分厚く変化してできています。
足白癬を放置していると、白癬菌が爪にも感染を起こし、爪白癬を生じます。
爪の中までは塗り薬が十分浸透しないので、水虫を塗り薬で治療しても爪の中に白癬菌が残ってしまい、くすりを塗るのをやめるとまた爪から皮膚に菌が出てきて水虫を繰り返してしまいます。
爪白癬の治療には飲み薬を用い、治るまで6ヶ月以上を要します。

二次細菌感染

水虫になるとその部分の皮膚のバリヤーが弱くなるので、二次的な細菌感染を生じやすくなります。
趾間型の水虫によく見られる合併症です。
細菌感染を生じると指の股の部分がジクジクなって、足の甲からスネにかけて赤く腫れて痛みを伴うようになります。
足の付け根のリンパ腺が腫れたり、熱がでて体がだるくなったりすることもあります。

二次細菌感染を生じた場合には、水虫の治療よりも細菌感染の治療を優先させます。
安静を保ちながら、抗生物質の点滴または内服を行ないます。
重症の場合、入院による治療が必要なこともあります。糖尿病などの基礎疾患のある方は重症化しやすいので、特に注意が必要な合併症です。

白癬疹

白癬菌に対するアレルギー反応で、菌が存在しない部位に発疹を生じる場合があり、これを白癬疹といいます。
よく見られるのは足の水虫が悪化した時、手にたくさんの水疱が現われる症状ですが、白癬疹にはいろいろなタイプがあり全身に発疹が現われることもあります。

白癬疹はもとの水虫の治療を行なうと治ってしまうこともありますが、症状が強い時にはアレルギー反応を抑える副腎皮質ホルモン(ステロイド)の飲み薬や塗り薬を用います。

水虫と間違われやすい病気

~~~正しい治療は、正しい診断から~~~

足に水疱ができたり皮がカサカサ剥けたりする異汗性湿疹(汗疱)や、膿疱(小さな膿のたまり)が沢山できてくる掌蹠膿疱症、冬の空気の乾燥によるカカトの ひび割れ、間違った塗り薬を使用したことによる接触性皮膚炎(かぶれ)など水虫と症状が似ていて区別しなければいけない病気があります。

異汗性湿疹(汗疱)

手の平や足の裏、指の側面などに生じた湿疹で、症状としては小さな水疱がたくさんできて痒みを伴います。
小水疱型の水虫と似た症状です。

掌蹠膿疱症

手の平と足の裏に膿疱(小さな膿のたまり)が繰り返し出現する、慢性の皮膚疾患です。
爪の変形も伴い、小水疱型の水虫や爪白癬に似た症状が見られます。
扁桃腺や歯科領域の細菌感染(虫歯や歯周病)、金属アレルギー(虫歯の金属製充填物に対するアレルギー)などが原因になります。

カカトのひび割れ

足の裏の角質が分厚く肥厚して、冬になるとカカトの部分にひび割れを生じてきます。
角質増殖型の水虫と区別する必要があります。

接触性皮膚炎(かぶれ)

水虫ではない症状に市販の水虫薬を使用して症状が悪化したり、塗った薬でかぶれてしまったりすることがあります。
水虫薬を使用してかゆみが増したり、症状が悪化した時は、その薬の使用をただちに中止して皮膚科を受診したほうが良いでしょう。
くすりは自己判断で使用するのではなく、必ず医師の診断のもとで指示にしたがって使用するようにしましょう。

くすりの使い方

水虫は抗真菌剤というカビを殺す薬剤を塗ることで治療します。
水虫は治りにくいとよく言われますが、次のことに注意して薬を塗れば必ずよくなります。

足全体に薬を塗る
かゆいところやブツブツになっている所だけに塗るのでは十分ではありません。足の裏と側面、指の股など塗り残しが無いように…。

症状が無くなってもしばらく塗り続ける
かゆみやボツボツが無くなっても、白癬菌が居なくなるまで3ヶ月以上は薬を塗り続けます。角質肥厚型の場合、治療は6ヶ月以上かかります。

日常生活で気をつけること

水虫を早く治すために、また水虫にならないために次のことに気をつけましょう。

足を乾燥させる
革靴や長靴、パンプス、ブーツなどは通気性が悪く湿気がたまりやすいので、白癬菌が繁殖してしまいます。
靴を長時間履き続けないように、可能であればオフィスの中ではサンダルを履くようにするのが良いでしょう。
1日履いた靴は汗で湿った状態になりますので、よく乾燥させてから次に履くようにします。
どうしても靴を履いている時間が長くなる人は、5本指の綿の靴下を履くか、指の間にガーゼを挟むようにしましょう。
汗が多い人は仕事の合間に靴下を履きかえる必要もあります。

足の清潔に気をつける
どんなに疲れて帰宅しても、必ず毎日足をていねいに洗うようにしましょう。水虫の予防と二次細菌感染の予防にもなります。
プールや公衆浴場の床や足拭きマットにはたくさんの白癬菌が付着しています。足に付着した白癬菌はその日のうちに洗い落とす必要があります。足拭きマットを使った後、もう一度自分のタオルで足を拭くなどの工夫も必要です。

家族への感染予防
湿気の多い浴室周辺を中心によく掃除機をかけるようにします。
足拭きマットは水虫のある人と無い人とで分けて使い、使用後よく乾燥させましょう。
靴下などの布類に付着した白癬菌は自然乾燥では殺菌できませんが、高温で殺菌することができるので、乾燥機やアイロンを使うと効果があります。
すでに家族内に水虫の人がいる場合には、みんなが一緒に治療を進める必要があります。

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