シミ
秋に気になるシミ
秋は、夏の強い日差しでダメージを受けた肌にシミができて気になる季節です。シミは子供の頃から長年の間、少しずつ紫外線のダメージを受け続けた皮膚に生じ る変化で、初期には肌のくすみ程度で気が付かれないことが多いのですが、日焼けした後に突然色が濃くなり目立ってきます。
一度できてしまったシミは自然に消えることは期待できず、美白効果をうたった化粧品を試してもなかなか効果が見られなくて、悩みのタネになることも少なくありません。
また、一般にシミと言われているものの中には原因や治療法の異なる病態がいくつか含まれています。シミにはどのような種類のものがあるのか、シミと区別する必要のある病気、シミの治療法などについてまとめてみました。
シミの種類
一言でシミといっても、原因や症状の異なるさまざまなタイプのものが含まれています。おもに次のように分類できます。
老人性色素斑(=狭義のシミ)
脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)
肝斑 ( かんぱん )
光線性花弁状色素斑 ( こうせんせいかべんじょうしきそはん )
シミの治療法
シミを予防するためには徹底した紫外線対策が必要です。夏の海やプールに行く時は勿論のこと、天気の良い日に外出する時は常に日焼け止めを使用するようにしましょう。 また過度のストレスや過労はシミを悪化させることがありますので、体調の管理も大切です。
できてしまったシミの治療は、以下のようなものが代表的です。どの治療法を選択するのかはケース・バイ・ケースになりますので、専門の医師にご相談下さい。
レーザー治療
もっとも代表的なシミの治療法です。
老人性色素斑や光線性花弁状色素斑はノーマルモード・ルビーレーザーやQスイッチ・ルビーレーザー、Qスイッチ・アレキサンドライトレーザー、Qスイッチ・ヤグレーザーなどを用いて治療します。
これらのレーザーは、シミのもとになるメラニン色素をターゲットとして破壊するレーザーで、周囲の組織に対しては最小のダメージしか与えません。通常1~2回の治療で満足な治療効果が得られます。
脂漏性角化症に対しては炭酸ガスレーザーを用います。このレーザーは、人体組織に存在する水分に吸収されて熱を発生します。レーザーが当たった組織は一瞬で高温に達し、蒸発してしまいます。この性質を利用して、脂漏性角化症のように隆起した病変の治療を行ないます。また、盛り上がりがほとんど無い脂漏性角化症の治療にはルビーレーザーを用いることもありますが、その場合は治療に回数がかかります。
肝斑に対してはレーザー治療が効かないので、このシミは他のシミと区別する必要があります。
外用療法(塗り薬)
効果が現れるのに時間がかかりますが、比較的安全な治療法です。レーザー治療の効果を高めるため補助的に用いる場合もあります。
メラニン細胞(メラニン色素をつくっている細胞)に働きかけてメラニン色素の産生を抑える塗り薬(ハイドロキノン、コウジ酸、アルブチン、アゼライン酸、 ルシノール、ビタミンCなど)や、表皮細胞に沈着したメラニン色素を早く排出させる作用のある塗り薬(レチノイン酸、α-ヒドロキシ酸など)を用いて治療 します。後者の作用を利用したシミの治療法がケミカルピーリングです。(ケミカルピーリングは当院では実施いたしておりません)
内服療法(飲み薬)
ビタミンC、ビタミンE、システイン、グルタチオン、トラネキサム酸などが代表的です。各種外用剤と併用することで、肝斑の治療においては劇的に効く場合があります。
液体窒素冷凍凝固術
超低温(約-200℃)の液体窒素をシミの部分の皮膚に接触させて凍結させる治療法です。この処置を行なった部分は7~14日後にかさぶたになって剥がれ落ち、新しい皮膚に生まれ変わります。脂漏性角化症の治療には有効ですが、治療後に色素沈着や脱色素斑(強く治療しすぎた時に色が白く抜けてしまう反応)を残す場合があるので、その他のシミに対しては他の治療法を優先します。脂漏性角化症に対しては保険適応があります。
レーザー治療について
レーザー治療のメカニズム
当院では「しみ」にスイッチルビーレーザー治療を行います。
ルビーレーザーは、皮膚の老化や、紫外線によるダメージでできたシミ(老人性色素斑)に対して、現在最も確実な治療効果が期待できます。< ルビーレーザー光線は、正常皮膚や血管にはほとんど吸収されず、メラニン色素によく吸収される性質があります。そのため正常組織への損傷を最小限に抑えながらシミの色素を破壊します。
※但し、シミにはレーザー治療が適したものと、適さないものとがあります。
治療費
項目 | 値段 | 備考 |
---|---|---|
初回診察料 | 3,300円 | 相談料、診断料、テスト照射(1ショット)費用、 薬剤費など込み |
シミの長径2㎜以下 | 7,900円 | (例)直径1cmの病変で21,900円 |
以降1㎜毎 | 1,750円 | |
再診料 | 1,100円 | 2度目以降の診察料 |
治療症例
症例をご紹介いたします。治療の効果をご確認ください!
受診のご案内
ルビーレーザー治療は、担当医制とさせていただいております。担当医の診察日にご来院ください。
初回来院時には、そのシミがレーザー治療の適しているしみかどうか確認させていただきます。そしてレーザー治療の適応がある場合には、治療費や起こりうる副反応などについて説明をさせていただいてから、治療部位の一部分にテスト的にレーザー照射を行います。(テスト照射)
テスト照射から1週間後に来院して頂き、照射部分の反応を確認させていただきます。 シミ全体へのレーザー照射はテスト照射から1ヶ月後に行います。複数箇所のシミの治療をご希望の場合には、まずいちばん気になる部分のシミを治療してみて、その効果を確認してから他の部分の治療を行うことをお勧めします。
この後の経過は、シミの性状やその方の肌質によって異なります。1回のレーザー照射でシミが消える方も有りますが、繰り返し照射が必要な方や、レーザー照射後に色素沈着を生じる方もあり様々です。定期的な通院を要する場合もありますので、ご了承下さい。
レーザー治療後の経過について
ルビーレーザー照射部位は軽いやけどに近い症状を示します。治療後1週間は治療部位を擦らないように注意して下さい。石鹸を使った洗顔は可能です。治療後ヒリヒリとした痛みが感じられることがありますが、数時間~数日で消失します。ヒリヒリする間は炎症を抑えるぬり薬を塗っていただきます。また治療部位より浸出液が出ることもありますが、通常3~4日で止まります。治療後レーザー照射部位は約1週間で黒褐色のかさぶたになり剥がれ落ち、その下に少しピンク色がかった肌が見えてきます。ピンク色の肌は、新しく出来たばかりの弱い肌なので、3ケ月間はこすったり強い刺激を与えたりしないでください。また直射日光はレーザー照射後の色素沈着の原因となりますので、治療後症状が安定するまでは、日焼けをしないように気をつけて下さい。(かさぶたがとれた後は遮光剤を使用していただきます。)
治療後数ヶ月は皮膚にレーザー照射による炎症反応が残っています。レーザー治療をお受けいただいた方の半数はそのまま炎症が治まってきれいに治りますが、残りの半数の方、特に火傷や傷跡が色素沈着しやすい方は治療後2~4週でレーザー照射による一時的な反応性の色素沈着を生じることがあります。その場合も色素沈着は自然に消えてきますが、半年から1年位の期間を要します。色素沈着を早く消すための塗り薬(別途費用)を治療1週間後にお渡しいたします。
シミのレーザー治療に対する治療効果には個人差があります。もっとも一般的なシミである老人性色素斑にはレーザー治療がたいへん効果的ですが、1回の治療で完全にシミが消えてなくなるというイメージはお持ちいただかない方が良いと思います。時としてシミの治療には根気が必要となることをご理解下さい。
シミと区別する必要のある病気
一見シミと同様に皮膚の色調の変化(多くは黒、または褐色)を主体としていますが、日焼け以外の要因が原因として大きく作用している病気は、治療法や治療に対する反応が一般的なシミとは異なっていますので、シミとは区別して考える必要があります。
雀卵斑(じゃくらんはん)
いわゆる「そばかす」のこと。 遺伝性があり、症状は子供の時から現われますが、20代以降徐々に目立たなくなります。 日焼けによって悪化するので、紫外線対策は重要です。治療法は前述のシミの治療法と同様で、各種の外用療法やレーザー治療、IPLなどが有効ですが、再発しやすい傾向があります。 日本人の場合、成人以降に増えてくるそばかすの様な症状は、小型の老人性色素斑が多発したものや、後述の後天性真皮メラノサイトーシスであることが多いようです。